気が付けば春も通り過ぎ、梅雨前の晴天といった感じの気持ちの良い日々が続いております。今では懐かしいオーストラリアの東海岸の気候に似ています。日中は日差しが強く、日影は涼しく、夜はロングTシャツで過ごせ、湿気もそれほどまでといった感じです。
今から２５年前、私はオーストラリアで暮らしておりました。様々な人と出会い、助けられ、全てが新鮮で刺激的な毎日を送っておりました。
当時、出会ったKさんという男性がおり、その方はお金持ちのオーストラリア人の女性と結婚し、その潤沢な資金で「寿司トレイン」という回転寿司店をオープンさせるところでした。
縁あって、私もそのお店のオープニングスタッフとして働かせていただきました。
カウンター２０席位の小さなお店でしたが、ヘルシーでおいしい寿司がトレインに乗って提供されるのが人気となり、オープン当初から人気がありました。
味や素材も日本の寿司からアレンジされ、特にアボカドロールは１番の人気メニューでした。
Kさんには大変お世話になり、自宅(今までの人生の中で見た一番の豪邸)パーティー等にも招待頂き、更には３年間の就労ビザ取得の打診も頂きました。仕事の小休憩時に店の裏手で、夜空に輝く「南十字星」を眺めながら、大いに悩んだ記憶が昨日の事のように蘇ります。
結果、帰国後は日本で勝負すると決意し、丁重にお断りしたのでした。
稀に「もし、あの時にオーストラリアに残る決断をしていたのなら、今頃いったいどんな人生を送っていたのだろう？」と過去の人生の分岐点を追懐するのです。
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