「アリとキリギリス」は有名な童話です。
原作は「アリとセミ」だったようですが、北欧ではセミはマイナーだった為、キリギリスに変更されてしまったそうです。
女王アリは別として、働きアリの寿命は1〜2年。セミの寿命は地中生活も含め5〜6年とすれば、アリはセミの3分1の生涯で1度も謳歌することなく死んでしまう話となってしまいます。それでは真面目なアリがあまりにも可愛そうです。
そこは相手がキリギリスの方がしっくりきます。
いつも遊んでいるキリギリスが冬になって食べ物が無くなり、働き過ぎと馬鹿にしていたアリのところへ食べ物を貰いに行くのですが、その時のアリの取った対応は欧州だと「自分達の分しかないからあげないよ」と突き放してキリギリスは死んでしまう。
日本だとキリギリスに食べ物をあげて感謝したキリギリスが改心して真面目に働くようになる。
と、その国のお人柄に合わせるように内容が置き換えられております。
アリの対応もさることながら、本当は「いつも遊んでいるばかりではいつか困る日が来る」ことを諭した内容です。
もともと日本人はアリの如く真面目に働く性格の人が多いと思いますが、時代に沿ってもっと知恵を絞り要領良く、真面目に働きながらも同時に遊びも両立していくべきだと思うのです。
また、「働かないで遊んでばかりいる人」を見ると妬む人が多いのですが、単純に「悔しい負けてられないぞ」とか「羨ましいな」とか「私も早くその域に達したい」と云うような肯定的な感じ方をしなければ、いつまでもひたすら働くだけの働きアリのままで、人生のラットレースから抜け出せないと思うのです。
実は、普段は遊んで見えるキリギリスも、アリの見ていないところでしっかりと食べ物を備蓄し、お腹が空いて困っている相手にも笑顔で「どうぞ」と言える、「粋なキリギリス」の話に変えて子供たちに話してあげれば、少しは日本の未来が変わるのかもしれません。