ひとり社長の備忘録

小さな会社経営・自由に暮らすひとり社長のブログ

父の仕事の記憶①

昔、私の父は、結婚式場のカメラマンの仕事をしておりました。ある日、出された関西への転勤辞令を「都落ち」と捉えた父は、そこで短い企業戦士人生に幕を下ろしました。その後は、知合い伝手に色々な仕事に手を出しておりました。「手を出す」という言い方になってしまうのは、その殆どが短期間だった為です。

時に、押し入れの段ボール箱の中に、何の動物か分からない「毛皮の絨毯」が大量に保管されていた事もありました。象牙らしきモノもあった記憶があります。千葉の田舎で生まれ育った一人っ子の父は、ここ東京で、家族5人の生活を維持する為、試行錯誤しながら一生懸命働いていたのだと思います。

その頃の父が、ある日突然、日産のキャラバンとグロリアを同時に購入してきました。グロリアは私用でキャラバンは仕事で使うとのことでした。

理由は分かりませんが、当時、風呂無しアパートの一階に住んでいた家族の元に、突然車が2台仲間入りしたのです。小学生だった私は大変喜んだ記憶があります。

エアコンの効いた涼しい車内、グロリアの助手席からの眺めは最高でした。そして同時購入したキャラバンには、某飲料会社のジュースの箱が山積みになっていました。当然、箱の中には本物のジュースが入っており、家族の中で私だけ、片っ端から箱を開けて、勝手に飲み放題しておりました。父は、そんな私を笑って見ていたのでした。毎日、車の荷台に山積みになったジュースのケースで基地を作り、遊んでいた記憶があります。

更に驚く事に、気の早い父は、近くに倉庫も借りていて、初めて倉庫に行った時「キャラバンの10倍」近く積みあがったジュースの箱に度肝を抜かれたのでした。つづく。

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