ひとり社長の備忘録

小さな会社経営・自由に暮らすひとり社長のブログ

父の仕事の記憶②

自動販売機を店舗や個人へ売りつける仕事が全盛期だった当時、父もその流れの中にいました。関東では、コカ・コーラ自動販売機設置の先駆けだったようで、町中にコカ・コーラ企業の自動販売機がどんどん増えて行きました。

父は後追いをする飲料メーカーの代理店で販売機の販売設置営業をしていたようです。

元々は飲料メーカーが自ら自販機の販売設置営業をしていたのですが、なんせイケイケ時代だった為、強引に自動販売機を売りつけてくる輩が多く、メーカーの印象が悪くなる為、困ったメーカーは、自動販売機の販売設置営業に関して「代理店制度」を作り、代理店へ外注する仕組みを作ったのだそうです。

父が所属していた代理店には100人位の営業がいたのですが、父はわりと営業成績が良かったそうです。前職時代から知り合いだった社長にも気に入られていたらしいのですが、入社3年を経過した頃から、街には自動販売機が溢れ、新規設置の客も減り、この仕事の先細りが感が顕著に表れてきたそうです。

所属会社の社長は見切りが早く、次の年にはあっさり会社を畳みましたが、父には子会社と営業5人を残してくれたらしく、その後、父が代表となり6人で頑張っていたそうです。恐らくその頃に父が車を買ってきたのだと思います。

飲料メーカーもずる賢く、設置営業で儲けた代理店が姿を消す頃になると、残された町中の自動販売機オーナーへ直接営業をかけ、メンテナンスも併せた「レンタル契約」へ契約を移行し、直接管理することで、残る代理店の力を削いで行ったのだそうです。

その頃になり、ようやく父も見切りをつけ、設置した自動販売機の契約を飲料メーカーに引継ぎ、スズメの涙程度の手切れ金を受け取り、事業を撤退したのでした。

※因みに今でも父は元気に生存しております。

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